中興

ワタシは中国で、『中興』というメーカーの携帯電話を使っています。
http://www.zte.com.cn/cn/


このメーカー、中国人でも知りません。
先日、ケータイを無くした時に、中国移動といういわゆるケータイキャリアに行ったところ、くれました。
タダでくれるくらいだから大したことないと期待はしていません。
で、実際期待通り(?)ひどいケータイだ・・・


よく電源は落ちるし、他の人がケータイ使えるところでワタシのだけ使えなかったりと・・・



そこで、ワタシもそろそろケータイを買い替えようとネットでみたら、このメーカー色々出しているんですよね。
スマートフォンを。しかも安く。


考えてみれば、スマートフォンなんて、部品をよそから買って組み合わせて、OSにアンドロイド入れればいいわけで、自社で開発する部分ってのはすごい少なくなっているのでしょう。
だから、こんな新興メーカーでもケータイが作れてしまう。



中国人は本当に物事簡単に、合理的に考えるなーと思うわけです。
例えば、(まだ上手く行ってませんが)電気自動車なんて部品を組み合わせるだけだって中国人なら考えるでしょう。
けど、日本人は、「車は命を預かるものなんだから、簡単には行かない。擦り合わせの技術ってのが肝なんだ。
となります。」
良い悪いの話はありません。ただ、日本人はどうも職人的だなーという気がしないでもない。
まー規制だなんだでうるさいので仕方ないところもありますが・・・




いずれにせよ、この考えの違いが勢いの違いにも表れているのですが。
簡単に考えて、勢いよくやってしまう。
熟慮を重ねて、慎重に物事を進める。


ただやっぱりね。
勢いよくやるのは、怖いなーと感じるのが我々日本人の感覚ではありますが。
ワタシも守りに入ってしまったのでしょうか・・・?

ゆっくりできないな〜

ここ最近、ネットの記事などを読んでいると、
節電で早く帰ることになり時間があまる。でも、この時間をどうしたらいいかわからない。
と言うような問いに対し、ゆっくりした時間もまたよし。それを楽しんだら?
・・・と言うような記事をよく読みます。
かなり意訳しちゃってますが・・・



で、ワタシ中国で似たような環境でして。
ま、こっちは節電じゃないんですが。(慢性的に電気は足りませんが)
ワタシのいる事務所はまだ調子のいいところでは無いので、仕事がそれほど多くなく。。。
もちろん営業はしておりますが、やる事やって後は待ちの状態になると、どうも手持無沙汰になるわけです。



これを素直に喜べないんですよね〜
やはり仕事人間なのでしょうか。
この文章は、堂々と仕事中に書いてますが、それでもやはり落ち着かない。
なんか仕事をしていないと気が済まない。


よくないなー、、、と思うわけです。



中国人は確かに我々の感覚からすると働かない。
けど、ワタシたちの方が働き過ぎなんじゃないかなーと。
いや、確かにたくさん働いてきたからこそ、今の高収入(中国と比較して)があるわけで、じゃあおまえは中国人の感覚で働き、中国人の給料でもいいか?と聞かれればやはり嫌だ。
だけど。だけどですよ。。。





ワタシの周りの人(中国人)は、「仕事が忙しくない」と言う事を手放しで喜ぶ人が多い。
「最近は忙しくない」→「あーよかったねー!!」みたいな。
日本なら「忙しくない」=「仕事が無い」となりどちらかと言うといいイメージでは無い。



今、ワタシがヒマなのは、仕事が無いからなのか?
いや、やる事やったからだ。
日本なら、「自分の仕事は自分で見つけろ」となり、手持無沙汰は許されないのだが、ここは中国だ。
まぁいいでしょう。



今やる事が無いのは、確かに不安になる。
けど、いつも不安じゃ人生面白くない。
もう少しぼへ〜〜 っとしてもいいのかな。。。

仕組

ワタシの会社は94年から中国に出しています。
結構古くからやっていると思います。
けど、規模的には泣かず飛ばずと言ったところ。


この間どれだけ中国が成長したかは周知のとおりですが、我が社はたいして伸びていません。


それなのに、ワタシの会社のベトナムの拠点は設立6年程度ですが、会社をけん引する存在になっています。
めちゃくちゃ伸びています。


この違いは何なのでしょうか?




ワタシが思うに、ベトナムは「日本のやり方」が通用するからではないかと。
客先も日本人。仕入先も日本人。だから我々商社の営業マンも日本人で成り立ちます。


中国は日本のやり方が通じません。
というか、日本のやり方をやっていたのでは伸びません。
これが最近私の感じるところ。
ベトナムだったら、「俺の言うとおりにしろ」で良いかもしれません。
中国では無理です。「中国には中国のやり方がある」と切り返されます。
また実際に、日系企業でも多くのポジションを中国人が担当していますから、その「中国のやり方をやる」と言うのは理にかなっていると言えます。



・・・ところが、日本の本社が分かってくれないんですよね〜


けど、何となくわかりました。
ワタシは日本企業の良さは取り入れますが、中国に会った会社に変えて行こうと思います。



仕組みは作ります。
けど、運用は任せる。


これが、ワタシの会社を伸ばす方法であり、中国人にとっても良いやり方なのではないかと。

賞罰

韓非子によると、君子たるもの、賞と罰を使えないといけないとあります。


賞だけでは、悪い事をする輩に対して何もできないし、罰だけでは人はついてこない。
これを古代の具体的な事例を基に説明しているうのですが・・・


ワタシは両方ともないよなーと感じたまでです。
ワタシは、拠点の責任者とは言え、直接的に賞と罰を下せる立場にありません。
だから舐められるんだろうな〜


褒めたところで、実際に給料を増やせるわけじゃないし、怒ったところで、それに従わなくても何も起きない。


結局、「言う事を聞かない」と言うことになってしまう。。。



中国人は良く言えば合理的、悪く言えば拝金主義の人がとても多いです。
結局、賞(=報奨金)もしくは、罰(=減給)を使えないとダメなのだなー と身をもって感じたわけでした。

私欲

この前買った本。韓非子
全4巻あるのですが、1巻だけ読み終わりました。


「人間とは自分の利益を追求する存在である」ということを、色々な事象を基に説明しています。
性善説性悪説とはちょっと違い、人間の価値観の基準は、自分の利益であると・・・


これはですねー まあわかりますよ。
日本にいたらわからないけど。たぶん。
日本人の価値観とは違いますが、中国人の価値観としては合うのでしょうね。



我々は簡単に自分の利益を追求しないと思います。
例えば、自分が会社の購買担当だとして100万円の装置を買うことになったとしましょう。
メーカーが「110万円で買ってくれれば、10万円あなたにあげます」と言ったところで、簡単に「わかりました」とはならないでしょう。


これ、すなわち賄賂なのですが、賄賂は個人的には利益になるものの、会社としては高い買い物をさせられているわけで損をする事になります。
こうゆうことは長期的には続きません。
”いつかバレる”ということもありますが、何よりも会社の利益にならない事はしてはいけないという考えが我々にはあると思います。


中国人の全てが、賄賂を良しとするわけではありません。もちろん。
だけど、「自分の利益を追求する」というのは分かる気がします。
この韓非子のなかで個人的に強烈だと思った文章。
「人は無能のまま出世がしたいし、報酬が欲しい」といったところ。
早い話、楽して儲けたいってところでしょう。
これ、わかります。とても。


コツコツやるってのがどうも苦手なのでしょうか。
これは、我が社のベトナムにある拠点のスタッフと比べてもそうです。
あちらは、コツコツと努力する事を厭わないそうですが、こちらはどうもそうではない。
どうも、楽しようとするようにワタシには見えてしまう。


独立心が旺盛なのも、結局はその方が儲かるからでしょう。
また、日本人よりも管理されるのを嫌うので、やはり独立するというのは彼らの感性からもあっているのでしょう。



この韓非子と言う本は2000年以上も前のものです。
しかも、あくまで2000年以上前に書かれたのであって、殷とか周とかさらに昔の事象を研究したうえで書かれたのが2000年前。
はるか昔からかわっていないのですな・・・
残りの3巻も買わなくては。

悪口

ここのところ、中国語がある程度分かってきたからか、商談中、我が社のスタッフとお客さんが悪口を言っていないことが分かるようになりました。
そもそも悪口は言っていないのですが・・・


ただ、海外に行くと誰もが経験するようで、つい悪口を言われているような錯覚に陥るんですよね。



ま、これって我々日本人が海外で話をすると必ずと言っていいほど、「現地人の悪口を言っている」ということの裏返しなのでしょうが・・・
だからこそ悪口に聞こえるのでしょうね。



で、実際問題言ってますよ。
我々が集まれば、同じ会社同士、お客さんと仕入先の関係だろうとなんだろうと、やっぱりローカルスタッフの文句や愚痴になります。
みんなストレス溜まっているんでしょうね。


特に日本の製造業の品質管理や、改善に対しての意識は相当高いです。
だから、製造業の管理者として行く日本人は相当プライドも高いです。
そのため、その視点からいくと様々なところで極めて不可思議に写るし、いくら言っても変わらないことに腹を立てます。
「こんなこともわからないのか?」「何でこんなことするんだ?」「何度言ったらわかるんだ?」
もっともストレスだけはたまるので、結果的に日本人が集まった時に文句を言うしかないのですが・・・





ワタシと言えば、同様に相当ストレス溜まってます。たぶん。
けど、まぁ我が社のスタッフは安い給料分は働いているかなーと(月給5万円くらい)
やっぱり文化が違うので、価値観を変えるのは無理と思っています。最近。
時間を守らないのなら、余裕をもった計画を立てるしかないと。


ワタシは、諦めているのか、相手の文化に合わせているのかわかりません。。。
けど、スタッフを怒らないようにしようかなーと最近思っています。
怒っても変わらないし。
給料分は働いているよ。



がんばれ。けど無理するな!俺。

国益

ワタシは個人的にここ数年、「国益」ということについて良く考えます。
国益」とは何か。



ワタシは良い意味で、日本は国益をあまり考えていないと思います。
自国の利益ばかり追求するのはあまりに自分勝手と、自然に考えているのではないでしょうか。
ワタシ自身、中国での行動は「日本人として恥ずかしくないように」と考えます。
自分勝手にふるまわなかった結果、今の日本人の信頼があるのではないかと思います。
中国でのビザの取得は日本人は短時間で出来ます。
しかし、一部の国ではなかなかビザの取得ができません。(アフリカ系の人など)



また、中国人がよその国でビザを取るのは時間がかかるとも言われています。
そのまま不法滞在する恐れがあるので・・・




やはり中国人は自分勝手だと思います。
車の運転などを見ているとよくわかります。
ラクション鳴らし過ぎ。。。
「どけどけ」「俺が先に行くぞ」まぁ意味は色々あるでしょうが、よく鳴らして訴えています。
俺が俺がと・・・



中国にある数多くの問題、例えば環境汚染や土地バブルなども自分勝手の産物ではないかと個人的には思います。



中国に関して否定的な事をずいぶんと書きましたが、ワタシ自身はここで生活しており、日本に帰ることを前提として働いていません。
中国の悪い面はビジネスチャンスではないかと見ています。



ただ、アメリカを見てもわかる通り、世界の多くの国は自分勝手だとワタシの目からは写ります。
アメリカインディアンの言葉で、「土地は子孫からの借り物」という言葉があるそうです。
良い言葉だなーと思います。
もっとも、現実的には子孫に残るのは荒れた地球である可能性は高いですが。。。



人物として個人的には評価をしていない鳩山前首相は、2050年までにCO2を半減させると言いました。
経済的な観点で言えば、国益にマイナスでしょう。
というか、日本が半減したところで地球規模で見たら誤差みたいなもので、意味が無いとも言えます。
でも日本人的な感覚でそんなことを言ったのでしょうね。



国益、まぁ権利と言いましょうか。権利ばかり主張すれば会社(社会)では角が立ちます。
けど、権利ばかり主張する人ばかりだったらどうなるでしょうか。
ま、それが今の世の中なわけで。。。



そういう意味では世の中怖いなーと思うわけです。