安く作る

ワタシは中国で製造業相手の商売をしています。
お客さんは、日系企業が殆どですが、時々完全なローカル企業にも行きます。
・・・でやはり考え方の違いを痛感するわけでございます。



フツーの人が行くと、中国の工場はとても汚いですと感じるでしょう。
そこは、待ちの中を見ても分かる話なので、掃除などに関しての意識はやはり文化の違い同様結構あります。


ワタシがなかなかローカル企業に入り込めない理由として、価格と生産性の考え方の違いがあります。
中国の製造業は安く作ることには徹底しています。
日本の製造業は、効率よく作る事を追求します。


例えば、1本500円のドリルがあったとします。(ワタシは工具屋です)
これで加工できる穴は1000穴。
1本5000円のドリルがあり、これで加工できる穴は5000穴。そのかわり加工スピードは半分になるとしましょう。


穴一つあたりの単価は、0.5円と、1円。
そこで考えると500円のドリルの方がお得になります。


ところが、「たくさん加工できる方がたくさんモノが作れるから儲かるでしょ?」と考える会社は、5000円のドリルを買います。
けど、この考え方ができないんですよね〜
(もちろん生産製品の単価にもよりますが)



はっきり言って、安く作ろうとする執念に関しては日本人は勝てません。
最近、元高や人件費の高騰などで中国の製造業は大変です。
そうなったらどうするか?
個人的な感覚では、違う商売を始めるか、安い国、地域で作るかという流れになるのではないでしょうか?


「効率を上げてトータルコストを下げる」というのはどうも考え方が合わないような気がします。



日本の製造業は、管理面(品質管理、製造管理)は中国と比較して明らかに優れています。
ここはまだ中国企業とは言っても、まだ時間がかかるでしょう。
日本のような感覚で製造業も仕事をしてくれればワタシも仕事がしやすいのですが、そうなったら本当に日本の製造業にとって脅威になるでしょうね・・・