歩合

ワタシは専門商社の営業です。製造業相手の。


ワタシは日系の商社ですので、やはり販売するのは日本メーカーのものが多いです。
ところが、お客さんはみなさん安い製造コストを目当てに中国へ来ているので、ある程度軌道に乗ったら日本製のものは中国製に替え、コストを下げたいのが希望。


ま、それはいいんです。当然ですから。



もちろん我々の競合は中国メーカー、中国商社になります。



彼らは本当にすごいです。
サンプルはすぐに作ってくるし、希望の寿命に達しなければ「代金頂きません」という提案もしてくる。
彼らのスピード感は本当にすごい。日本のメーカーじゃ出来ないんじゃないか?と思うこともしばしば。
決断も早ければ、動きも早い。
(もちろん中国にも会社はたくさんあるので、ひと括りにはできませんが)



・・・ところがですね、、、日系企業の駐在員(日本人)の悩みの一つは「中国人は時間の感覚が遅い」




あら、正反対じゃないですか。。。



ワタシもそれで悩む一人。
予定の仕事は一向に進まないし、「今日やります」を繰り返すもののまったくやらない。
我々商社はお客さんなってなんぼなので、仕事が遅ければその分客先への回答も遅れてしまう。
結果、「日系企業なのにスピードが遅い」という話になってしまう。



ワタシが最近思うのはやはり報酬体系に関係するのかなーと。
中国では、サービス業で歩合があるのが一般的のようです。
営業マン、カラオケの女の子は当然のこと。マッサージのお姉ちゃんや美容師さん、お店の販売員だって「どれだけ売ったか」「どれだけお客さんについたか」が基本の給料からさらに加算されていくとのこと。



そりゃ合理的に考える人たちですからね。
自分の給料に直結するとなるとスピードは速いです。



最近では、工場の生産ラインでもグループごとの生産量によって給料を加算するところも出ているようです。台湾系に多いようですが、やはり生産性は上がるとか。
ただ、生産は頭を使わないと伸びないので、保守的な会社ほど導入は難しいみたいですが・・・




ともあれ、じゃあ歩合を導入すればいいのかと言えばそういうわけではなく・・・。
日系企業のいいところは、やはり安定的な雇用と給料を約束していること。
「歩合をつけます」と言えば前向きな人もいる半面。「言い方を変えただけで実質コスト削減だ」と捉える人もいます。
当然我々BtoBの仕事では担当客先によって売上も大きく変わるので、そこを踏まえたうえで公平に評価するのは難しいです。
従業員のために給与体系を変えた結果、従業員がやる気を失っては意味がありません。


さらには歩合制にすると、チームプレーがより個人プレーに移ってしまいます。
お客さんとの癒着も起きやすいです。


ということから単純に導入できないのが本音。



ただ、個人的には中国で中国人を雇う以上、中国人の考え方にあった給与体系は必要と考えます。
(もちろん賄賂などは、いくら中国的と言っても会社として許せないとして)


これは今後の課題ですね・・・