ミス

納期遅れがありました。
我が社のミスです。
このような場合どうお客さんに説明するでしょうか・・・?



ワタシの感覚では、お客さんには正直に説明し、正確な納期を伝えたうえで、お客さんの要望に合うよう調整をしていくと思います。


わが社のスタッフ(中国人)はきっぱりと、「お客さんに正直に言うのは良くないです。ミスを認めれば信用がなくなります。次に注文が来なくなるかもしれません。通関が遅れたことにしましょう」と提案しました。




ここで前後関係を説明します。
わが社は中国にある貿易商社です。本社は日本で、ワタシがいるのは支店です。
一部の商品は日本の本社へ発注し、日本の本社からメーカーへさらに発注書が行きます。
今回、この日本の本社が発注を忘れてしまったため、注文が止まっておりました。
根本のミスは、日本の本社であり、中国側ではありません。ただ、客先にとっては日本だろうと中国だろうと同じです。結果的に納期遅れを出した時にどう説明するかというのが問題です。


正直、この商品の納期遅れ自体は大した問題にはなりません。
ただ、納期遅れを出した時にどう説明するのかに文化の違いを感じました。






わが社のスタッフが言った事は本心なんだと思います。
「なんでも正直に言えば良いというものではない。」
良かれと思って正直に言った事でも、中国では悪い方に取られることもあるのでしょう。


ワタシは製造業と関わっておりますが、日本の会社ならどこでも「間違いは起きるものだ」という前提のもと、どうしたらミスが減らせるか、事前にチェックできるかということを考えています。
だから、正直にミスを認め、内容を言い、「次回よりこのように対策を取ります。」と言った方が信頼関係に傷はつきません。下手に嘘をついても、原因が直らなければいつかはまた問題が再発します。



個人的には、日本の会社の「ミスは起きるもの」という前提の方が良いと思います。
これは、今まで日本の製造業が長い間培ってきた知恵なのだと思います。


・・・ただし、今回の例のように例えば正直に言ったところで、それを受け取るのは中国人担当者です。彼がどうとらえるかは、いくら日系企業とは言え別問題です。





今回の話で言えば、納期遅れは理由も聞かずに客先は認めてくれました。
根本的な話で言えば、ミスが起きないようにどうすればいいか考えないといけないですが、中国では問題が起きた時にどう対応するかもちょっと悩ましい問題です・・・。