私欲

この前買った本。韓非子
全4巻あるのですが、1巻だけ読み終わりました。


「人間とは自分の利益を追求する存在である」ということを、色々な事象を基に説明しています。
性善説性悪説とはちょっと違い、人間の価値観の基準は、自分の利益であると・・・


これはですねー まあわかりますよ。
日本にいたらわからないけど。たぶん。
日本人の価値観とは違いますが、中国人の価値観としては合うのでしょうね。



我々は簡単に自分の利益を追求しないと思います。
例えば、自分が会社の購買担当だとして100万円の装置を買うことになったとしましょう。
メーカーが「110万円で買ってくれれば、10万円あなたにあげます」と言ったところで、簡単に「わかりました」とはならないでしょう。


これ、すなわち賄賂なのですが、賄賂は個人的には利益になるものの、会社としては高い買い物をさせられているわけで損をする事になります。
こうゆうことは長期的には続きません。
”いつかバレる”ということもありますが、何よりも会社の利益にならない事はしてはいけないという考えが我々にはあると思います。


中国人の全てが、賄賂を良しとするわけではありません。もちろん。
だけど、「自分の利益を追求する」というのは分かる気がします。
この韓非子のなかで個人的に強烈だと思った文章。
「人は無能のまま出世がしたいし、報酬が欲しい」といったところ。
早い話、楽して儲けたいってところでしょう。
これ、わかります。とても。


コツコツやるってのがどうも苦手なのでしょうか。
これは、我が社のベトナムにある拠点のスタッフと比べてもそうです。
あちらは、コツコツと努力する事を厭わないそうですが、こちらはどうもそうではない。
どうも、楽しようとするようにワタシには見えてしまう。


独立心が旺盛なのも、結局はその方が儲かるからでしょう。
また、日本人よりも管理されるのを嫌うので、やはり独立するというのは彼らの感性からもあっているのでしょう。



この韓非子と言う本は2000年以上も前のものです。
しかも、あくまで2000年以上前に書かれたのであって、殷とか周とかさらに昔の事象を研究したうえで書かれたのが2000年前。
はるか昔からかわっていないのですな・・・
残りの3巻も買わなくては。